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美しい中世の女王『イザベル一世』の肖像画

2019.12.29 Sunday

有名な「グラナダ陥落」で知られる女王、イザベル一世。

イタリアではフィレンツェ・ルネサンスが花咲いている頃、 現在のスペイン、ポルトガルではご覧のように中世の色合いの濃い表現が残っていて、 スペインの独特の歴史を垣間みることの出来る一枚です。

グラナダに埋葬され、今は安らかな眠りについている女王も生きている頃は激動の人生を送っていました。

コロンブスを支援したことでも有名です。
新大陸進出に援助を惜しまなかったとのこと。
かなりの英断だったと思います。
やってみればいいじゃない、的なかなり太っ腹な彼女の一面が歴史書によって伝えられています。

ヨーロッパ文学を理解していく上で避けて通れない「スペイン黄金時代」はこのイザベルとフェルナンドの時代だと言われています。

ルイ14世もそうですが、黄金時代を築く王様、女王様というのはとてつもないエネルギーで人生を駆け抜けます。
その息吹がこうした肖像画からも時代を超えて私たちに伝わってくるのだからステキ。

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2013年6月12日「美術への招待」より

ミケランジェロ 世界で最も美しいピエタ

2019.12.29 Sunday

世界で最も美しい彫像のひとつ。
ピエタ。

ミケランジェロの作品で、ローマ法王のお膝元、バチカンにあります。
マリア様がイエスキリストを抱きかかえ、嘆き悲しむ様を再現するピエタ。

人間が観て最も安心(安定)するという三角形の図像によってこの作品の美しさは構成されています。
写真だと平面になってしまい、この作品の本当の迫力は観ることが出来ません。
ボリュームはかなりあります。

聖書の一場面が立体的な舞台となって私たちの前に呈示されているようなもので、私たち鑑賞者はその一場面への同席者として臨場感をもってこのピエタを見つめることになります。

防弾ガラスは今はあるのかしら・・・。
もしそのままみることができたら、それは素晴らしい経験になると思います。

彫像類はかなり好きで、大英博物館でもルーブルでも、古代ギリシャ・ローマのものは制覇しています。
でも、このルネサンス時代の作品は、それに勝るとも劣らないすばらしアウラをもった稀な美術品だと思っています。

飛行機にのって日本に来ることはないでしょうから、ミケランジェロの最高傑作に会いたければイタリア・バチカンまで行って下さい!

きっと私が今書いていることが実感をもっておわかりいただけることと思います。

過去ブログ
2013年3月25日「美術への招待」より

妖しく美しく クリムトの黄金文様描写・装飾美の世界

2019.12.29 Sunday

クリムトの作品の中でも、とりわけお気に入りの『水蛇』(1904~07年)。妖しげな装飾美。クリムトの黄金装飾美の典型の一つと言ってもいいでしょう。

2人の女性が絡み合い、美しい髪の毛がそれを包み込むように、流れるように描かれ、水草の優しい曲線の流れと重なって、優美さを伝えているようです。背景となっている蛇の文様とも見事に組み合わせられています。巨大魚、蛸の足、海藻のようなもの。これらが画面下に描き加えられ、絵画世界がよりドラマティックに、神秘性に富んだものになっていると思われます。

左下に描かれている水に漂う海藻のようなもの。幼いころ素潜りをしていた時のことでした。太陽の美しい輝きが海面下に注がれていて、その光の先に、ゆらゆらと美しく姿を揺らす海藻の群れを見つけました。「なんて綺麗なの・・・」。美しさへの衝動にかられ、私は入り込んではいけない幻想の世界に踏み入るように手を伸ばしました。「!!!」。 手が・・・。そうです、これは絶対にやってはいけないこと。手に海藻が巻きつき、海の底に引きずり込まれます。もがいて引っ張れば引っ張るほど、海藻は手を縛るかのように私達を離さないのです。

息も少なくなっていくというのに、美くしい海の中を眺めている自分がおりました。急な潮の流れがはっきりと見え、死と隣り合わせにあることもわかりました。妖しくキラキラと輝く美しい海の世界。生命と死。クリムトをはじめ、19世紀末美術の画家たちがテーマにした題材です。

私が吐きだす大きな泡が尋常でないことに気づいてくれたお陰で助かりましたが、海の美しき魔物、とてつもなく美しく妖しく、命を落としかねないもの、「セイレーン」を想ったものでした。この作品に並々ならない思いがあるのは、個人的な体験によるものですが、この作品は彼の黄金装飾美という様式を代表する一枚であることは確かです。皆様にもそうした一枚があるのではないでしょうか。

過去ブログより:
2016年6月14日「美術への招待」